【バスケットボールについて】その3
      ネイスミスさんと"バスケットボール"と"スポーツマンシップ"

 ネイスミスさんはバスケットボールをプレイすることによって、いろいろなものが身につくと考えたんだけど、それは次のようなことだ。ちょっとむずかしいけれど、家の人に説明(せつめい)してもらおう。
(1) 独創力・・・新しい状況に効果的に対処できる能力
(2) 敏捷性・・・すばやく、しかも楽々と自分の身体を、いかなる位置にも動かすことができる能力
(3) 正確性・・・意図していることを正確にできる能力
(4) 注意力・・・刺激にたいして、すばやく反応できる能力
(5) 協調性・・・コーチが決定した計画がなくても、チームの仲間とともにまず努力すること
(6) 巧緻性・・・動いている仲間どうしで、または動いている相手にたいしてボールをプレイするときタイミング良く適切な筋群によって、適切な筋力を発揮できる能力
(7) 反射的判断力・・・反射的に身体が正しく対応できる能力
(8) スピード・・・最短時間内に、ある位置から他の位置へ動く能力
(9) 自信・・・なにか行うとき、自分にはその能力があるのだという自覚
(10) 自己犠牲・・・ひとりの個人的な野心よりも、チームの利益をすすんで大事にする気持ちをもてること
(11) 自制心・・・ある目的のために、自分の気持ちをしたがわせること
(12) スポーツマンシップ・・・他の選手の権利を自分自身の権利とともに、強く遵守していくこと

 体のことについてだけじゃなく、スポーツをプレイしていくために必要(ひつよう)な気持ちの持ち方や考え方についても、すごく大切にしていることがわかるね。
 そして、レフェリーやコーチ、プレイヤーには次のようにしてほしいと言っている。ただの「勝ち負け」を目的(もくてき)としてバスケットボールの試合をするんじゃなくて、勝ったチームや 負けたチーム、レフェリーやそれを観ていた人たちも「次の試合が待ちどおしくなる」ようなものでなければならないと言っているようだ。


 【プレイヤーとコーチとレフェリーと観客への思い】
 審判はゲーム中のプレイから、時には観客からも、遠くにいることがある。だから、審判は正確に、公平に判定できるようにならなければならない。また、瞬間的に判定できるように、十分練習していなければならない。そして、自分のいかなる個人的感情も抑える勇気を持っていなければならない。
 コーチはチームの統率者だけではない。間接的には、観衆の態度にも影響を及ぼす。プレイヤーと観衆の両者のスポーツマンシップを築くときの大変な重責が、コーチにのしかかってくる。コーチが少しでも倫理的に汚いことをやれば、そのときのゲームを見に来ているすべての人々に"悪いコーチ"であることをすぐさま見破られてしまうだろう。
 観衆のことであるが、彼らはコートに近いところにいるのだから、自分の感情をつつしむ必要がある。つまり、ミスをしないプレイヤーなどいるはずはないし、常にその判定が絶対まちがいないという審判もいない。
 潔く負け、礼儀正しく勝て。賛辞ばかりでなく批判にも素直に耳を傾けよ。そして、つねにチーム・メイトや相手チームのプレイヤーの態度、心構えを尊重せよ。

 この欄(らん)は少し長かったね。書いてあることもむずかしい。
 少しずつ、時間をかけて内容 (ないよう)がわかるようになるといいと思っています。


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